【その⑤】アウトプットが苦手な子の場合

こちらの記事を読む前に、以前書いた「定期テスト80点に達しない子の5つの主な原因」をご覧いただくと、概要が分かります。

目次

主なケース

①インプットしたもの(自分の言葉に変換したもの)を長期的に記憶することができていない。

②インプットしたものを、求められている形に整えて引き出すことができない。書く、話すなどの表現ができない。作文が苦手。

①のタイプの子の状況

翌日に英単語テストがあるから前日に全部覚え、テストもすべて書けた。けど、テスト翌日にはほとんど忘れてしまう。また、周囲にくらべ覚えるまでに何倍も時間がかかるが、すぐ忘れてしまう。前日、3日前、1週間前、人によって記憶しておける期間や程度は異なりますが、状況はどれも同じようなものです。

②のタイプの子の状況

問われていることに対し、頭の中で大まかにイメージはできるが、明確な形に直すことができず、説明が長くなってしまう。説明のスタートとゴールが定まっていないまま話したり書き出したりしてしまう。結局、脱線したまま結論が出ない場合もある。頭の中で、話す内容や知識の整理がなされていない。
また、このようなタイプの子は身の回りの整理もできていないことが多い印象があります。自分の頭の中だけでなく、自分の持ち物も、何がどこにあるか把握できていないことがあります。

解決法①

【原因Ⅰ】
先ほどの英単語テストの例えについて言えば、テスト後にインプットやアウトプットする機会がないこと。これは端的に言うと「演習不足」です。前日や一夜漬けなのど短時間での急ごしらえの知識はすぐに消えてしまいます。定期的に勉強をする習慣がないことが大きな原因です。その場しのぎ的にテストをクリアしたところでは、本質的な糧は全く得ることはできません。将来的に非常に大きなツケが回ってきます。

【解決法Ⅰ】
書くまでもないですが、とにかく勉強習慣を早急につける必要があります。無意味な突貫工事をするのは止めて、1日30分でも1時間でもいいので継続的な勉強を行うことです。まずはその日に学校で習った内容を、ノートを見ながら復習しましょう。最終的に、家族や友だちに、先生のように「説明してあげられる」ようになれば完璧です。

【原因Ⅱ】
インプットと同時にアウトプットをしていない。アウトプットを想定したインプットができていない。

【解決法Ⅱ】
英単語を覚えるにしても、人によって覚え方が異なります。書いて覚える人、発音して覚える人、英文を読みながら覚える人、見て覚える人。英単語テストにおいては、どの方法でも満点を取れている人がいるので、どの方法も間違っていないはずです。ただ一方で、同じやり方をしても点数が取れない人もいます。
特に見て覚える人。インプットをする際に、インプットのみを行っている場合が多いです。それに比べ、書くや読むや言うなどはインプットと同時にアウトプットを行いやすいです。
書く…目でスペルを見て、手で書く。読む…目で英文を見て、頭で文意を自分の言葉に変換する。言う…目でスペルを見て、口で発音する。もちろん、どの方法も自分の言葉に変換せずにやっていては、ほとんど覚えられませんので、注意してください。必ず自分の言葉に変換してインプットしています。変換せずにやっていては、ノートを取るだけで満足するケースと同じです。

解決法②

②のタイプの子は、問に対して「考える」という時間が極端に短いです。考えることなく話してしまったり書き出してしまったりします。持ち物の整理も同様です。机の上や空いているスペースに、何も考えることなく無意識に物を置いています。結局、自分でどこに何を置いたのか、しまったのかが把握できなくなってしまいます。

まずは、考えを整理する時間や、自分の持ち物を整理する時間をつくる必要があります。考えよう、整理しようと思っても、始めた途端に「やっぱり面倒だからいいや」と投げ出す癖があるので、それを改善しなければなりません。また、頭で考えているだけでなく、書いたりや話したりするなどのアウトプットをしなくては、的確な形となりません。

スポーツでよくある話ですが、頭ではイメージできているが、身体が上手く動かない。それと同じで、実際に文章で書こうとしたり、言葉で説明しようとしたら、ダラダラと長くなってしまうことがあります。実際にアウトプットすることで、順序立てがおかしく、相手に伝わらないことに気づくことができます。これは簡単にできるようになるものではありませんが、続けていくことで確かな力になるのは間違いありません。もちろん、脱線したり的からズレてしまった際に、その都度軌道修正を促してあげられる人が側にいる必要があります。

まとめ

このインプット・アウトプットの問題は非常に重要で話したいことが多すぎでブログでは全然足りてません……。言いたいことが多すぎる。

また、今回はある程度タイプ分けして述べてきましたが、当然問題は一人ひとり異なっているため、今回述べてきた内容が当てはまるもののあれば当てはまらないものもあるはずです。上手く説明できたかは分かりませんが、何か少しでもヒントになるようなものがあったならば幸いです。

先に述べたように、問題や状況は一人ひとり異なるため、今回は大まかなことしか書けませんでした。本当はもっと細分化して突っ込んだところまで書きたいのですがなかなか難しかったです。もし、今回の内容のツッコミや疑問質問、何か他に聞きたいことなどがありましたら、info@toritsu-shingakukai.comまでメールを頂けると個別のお話ができるかと思います。(お問い合わせフォームからでも構いません。)今後のコラム(このブログのこと)で書いてほしいことや知りたいことなどのご要望も受け付けています!

明日(今日)は、いよいよ都立受験です。受験生の皆さんにはこれまでの成果を精一杯発揮してきてもらいたいと思っています。
次回は、そんな都立受験の過去の生徒のエピソードなどを書いてみたいと思います。

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