ある小学生との半年間【子どもの成長が感じられた瞬間その2】

目次

ある小学生との半年間

半年ほど前から、TSKに通い始めた小学5年生のYくんのお話。
この所、机に向かう顔つきが変わり、徐々に取り組みの質にも変化が出てきました。
今日は、そんな彼との半年間を少し振り返ってみたいと思います。

 

TSKに通塾する前の状況

4年生の頃から1年半、別の塾に通っていましたが、塾の宿題どころか、学校の宿題もやっていないという状況でした。
そして何より、勉強や塾に対してかなりネガティブな気持ちを抱いていました。

 

通塾をはじめた頃

はじめはとにかく鉛筆を持たがりませんでした。筆箱の鉛筆の芯がすべて折れていて、塾への準備も不十分な状態でした。教室に来た時・帰る時の挨拶も無言でコクりと頷く感じ。かなりこちらを警戒しているような状態でした。笑(彼が来る時間だけはジャケットを脱いだりなんとなく砕けた感じを出そうと試みたりもしました。効果は特になし。笑)

「勉強が嫌い」、「塾に行きたくない」という気持ちのままで勉強をしていても成果は出ません。子どもにとっても、ストレスが溜まる一方で、精神的にも良くないことです。
それなら、まずは勉強や塾に対するネガティブなイメージを解消することが、彼にとって一番必要なことだと考えました。

TSKでの取り組み

はじめは、塾にいる時間内に学校の宿題をきちんとこなすことを目標とし、あとの時間はカードゲーム等を行っていました。
「えっ!? 遊んでいるだけじゃん」と思う方もおられるかもしれませんが、ゲームを通して彼の中の「塾」という空間や「先生」という人のイメージを変えることができると考えて行っていました。

また、小学生にとって、塾での90~120分はかなりの長時間であり、当然ずっと集中し続けるということはできません。小学生には、必ずこちらから休憩を提案し、先生と一緒にちょっとしたゲームなどをしてリラックスする時間を設けています。

 

通塾をはじめてから1ヶ月後

○ 教室に来た時・帰る時に、自分から挨拶をしてくれるようになりました。
△ 学校の宿題以外に、算数の復習を行うようになりましたが、90分間集中して取り組むことはまだ難しかったです。また、塾に行きたくないと言い、休む日もありました。

TSKでの取り組み

算数の復習は、すでに知っている内容を練習しているだけなので、退屈に感じられたのでしょう。そのため、復習だけではなく予習を行うことが、彼の意欲を高める手段と考え、予習も行うようにしました。また、新しいカードゲームも取り入れ、飽きがこないように工夫したりもしていました。

 

 

通塾をはじめてから3ヶ月後

○休憩を取らなくても、90分間集中して勉強に取り組めるようになりました(はじめは勉強と休憩が半々でしたが、入塾後3ヶ月すると休憩なしでも90分間集中できるようになりました)。
△TSKに来れば集中して取り組める、苦手なものを克服してしようと思えるようになってきたが、塾に行くまでが腰が重く、自分から塾の準備をしようとはしない。

TSKでの取り組み

お母さまに(塾に行く前の)声掛けと、本人がしっかり取り組んでいることを褒めてもらうようTSKからお願いしました。また、TSKでは本人に、以前できていなかったものができるようになってきていることを積極的に伝えていきました。

漢字練習・計算練習がようやく一人で集中してできるようになってきたのもこの時期。塾にいるときは、特に不安げな様子もなく真剣に取り組めていました!

 

通塾をはじめてから5ヶ月(現在)

○塾に行くのが当たり前になり、お母さまから一声掛けられると、自分で塾の準備をするようになりました。また、塾だけでなく家でも勉強するになり、苦手な漢字に取り組んでいます。

現在のTSKでの取り組み

入塾時にくらべ自信を持って取り組める勉強が増え、苦手な内容は減ってきました。そのため、最近の授業ではノートに問題を解くだけでなく、解法の説明もしてもらっています。これはすべての子どもにも言えることですが、ある知識を自分の言葉で説明できるようになると、単純に問題が解けるようになる以上に大きな自信や楽しみを得ることができます。

毎回、得意な算数、苦手な漢字(熟語の意味)を、にこにこしながら説明してくれています(^^)

 

今後の指導方針

上手くいかなくても、後からでもやり直せることを学んだ彼に、私たちが次に望んでいることは、準備の大切さに気づくことです。これまでは、あとから追いかける形で勉強をしてきましたが、今後は先取り学習を行い、余裕を持って学校の授業やテストに臨めるようになってほしいと考えています。

もちろん、準備をすれば、すべてが上手くいくわけでもありません。上手くいかなった場合は、それを修正することが求められます。でも、彼はそのやり方をすでに知っているので、今回の経験を活かして克服することができるかもしれません(^^)

「準備の大切さ」に気づいてもらえるよう、引き続き私たちも彼をサポートしていきたいと思います。

 

まとめ

私たちが彼と接していて、改めて感じたことは、「遠回りをすることが、必ずしも悪いことではない」ということです。

子どもが決めた目標や大人が望んでいる子ども像があったとしても、子どもはそこに向かってまっすぐ進まず、道から逸れようとします。その時に大人が子どもを強引に道に戻すこともできますが、それはかえって逆効果です。むしろ、子どもの後をついていき、そこから目標に近づけるルートを考える方が、確実に前進します。

彼の場合は、カードゲームがその一つであったと言えるでしょう。あえて塾で勉強ではなく遊ぶことで、勉強や塾に対するネガティブな気持ちを軽減させられたと思います。また、遠回りをすることで、多くのことを学ぶことができます。後からでもやり直せること、準備の大切さを知ることなど、順調に進んでいたら気づけなかったかもしれません。

彼が勉強や塾に対してネガティブな気持ちを抱いていた時間は、決して無駄なものではなく、貴重な経験であったと言えます。

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