高2生へ
春休み前の面談で伝えたことを思い出してほしいです。
具体的な進路を決める時期
半年後です。学校から高3の選択科目を決めてくださいと言われるので、その期日までです。
真剣に考えるべき理由
安易に選択科目を決めると後悔します。大学や受験方法によって、受験科目が異なります。また、同じ受験科目であっても、共通テスト、私大、国公立2次では試験問題が大きく異なります。
一概には言えませんが、共通テスト、私大、国公立それぞれの傾向を軽く伝えておきます。(詳しくは今後の面談でそれぞれの進路にあわせて話をします)。英語を例に挙げると、英検対策は、リーディング(読む)、リスニング(聞く)、ライティング(書く)、スピーキング(話す)が必要。一方、共通テスト対策は、リーディング、リスニングのみ。大学によりますが、私大は一般的にリーディングだけ、国公立はリーディング、ライティングがメインとなります。
勘違いしないように。英検が難しい、私大が簡単という訳ではありません。むしろ技能が少ないほど、テスト問題は難しくなります。私大はリーディングしかないから、問題が難しくなりやすく、英検は4技能あるため、私大にくらべたら問題は解きやすくなります。
英語を例に挙げましたが、他教科でも同じです。この学年は理系志望が多いので、数学も伝えておきます。
共通テストでは、数学ⅠAⅡBCだけで、数Ⅲは出題されません。ただ、共通テストはⅠAはⅠAテストがあり、ⅡBCはⅡBCでテストがあるため、全体を網羅できていないと高得点が取りづらいです。典型的な問題だけでなく、出題頻度が低い知識問題まで頭に入っていないと点数が伸びづらいってことです。
一方、私大や国公立は、数Ⅲの問題が解けないと合格はありえません。国公立志望で、1次試験の共通テストが合格圏内の得点にもかかわらず、最終的な結果が不合格の受験生が、どの大学でも一定数います。それは共通テストの数ⅠAⅡBCの勉強ばかりしていて、数Ⅲの勉強ができていないのが原因です。
また、共通テストはマーク試験で、記述問題はありません。でも、時間に対して問題数が多いためスピードが求められます。一方、私大や国立2次試験は、比較的時間に余裕があります。ただ、記述試験なので、答えを出せたらOKではなく、適切な立式や途中式が書けていないと得点にはなりません。だから、私大や国立2次試験を受ける人は記述の練習も必要となります。
このように、受験校によってやるべき勉強が大きく変わってきます。受験勉強において、ムダな勉強はできるだけしたくはないはずです。だから、自分の進路にとって適切な選択をするのが大事になります。
時間をかけて考えること
半年後までに決めればいいからと言って、半年後に考えればいいやという考えはダメです。時間をかけてしっかり決めるようにしてください。
半年後の受験科目を決めるときに、進路についてはじめて真剣に考えた高校2年生は、後悔する可能性が高いです。
杉山が実際にそうでした。文系学部に進学しましたが、大学1年後期や2年前期に、理系に行っておけばよかったなぁと思ったことがありました。中高と理系科目への興味がずっと強かったのですが、高2秋の選択科目を決める頃に、政治経済に少し興味を持ち、深く考えずに経済学部を目指すことにしました。でも、大学に入って勉強をしていたら、面白さをあまり感じず、理系学部の勉強のほうが楽しそうに見えました。
杉山はしませんでしたが、大学や専門学校に入り直す人も少なくありません。とくに文系学部に進学して医療系の学科を選び直す人はそこそこいます。
一方で、大学には行かずに公務員になった人もいます。その子は、勉強が好きではないという理由から、大学に行っても勉強しなかったり、大学にすら行けなくなったりすると、自分で想像できていました。大学には行かずに、地方公務員の試験を受け、いまも横浜市役所で働いています。
自分の性格や関心事などについて、考えればわかることはみんなが思っている以上に多いです。高校受験のときにも話しましたが、少し考えれば予想できる未来については、考えるようにしてください。
