【その①】授業に参加していない子の場合

~授業に参加していない子の場合~

こちらの記事を読む前に、以前書いた「定期テスト80点に達しない子の5つの主な原因」をご覧いただくと、概要が分かります。

【授業に参加していない子の例】

 ・授業を聞いていない
 ・教科書やノートを用意していない、開いていない
 ・寝ている
など、嘘みたいな話ですが、普通にいます。


【現状】

 程度はどうあれ、中学生で授業に参加していない(聞いていない・寝いているなど)のは、かなり異常なことです。では、なぜそのような行動をとるのか。一番の原因は、授業において「居場所が無い、自分が授業にいる必要がない」と感じること。これまでの先生からの評価が良くない(自分の感覚と実際の評価に齟齬がある)、先生の授業に興味を持てない。こういったフラストレーションが徐々に溜まり、最終的に「自分が授業にいる必要は無い。だから寝てもいいだろう」という意識が生まれる。

 そして、授業に参加しないことで先生たちから注意を受け、本人には面白くないという気持ち、先生には諦めの気持ちが育っていき、それが両者の関係を致命的に悪化させていきます。また、授業外にもそういった感覚が波及する。例えば、「あなたに部長なんで任せられないと言われたり。

 このような事態になってしまった渦中の両者に、こういった状態を解消できる可能性は極めて低いです。また、自然的に解決しているようなこともほぼあり得ません。先生の転勤ぐらいかな。


【どうすればよいか】

 ケースや人によって多少の差はあるが、以下のようなことをやると効果的。

 誤解を恐れずに言うと「味方を作る」ということです。自分のことを理解してくれる人と居心地が良い場所を作ること。

 これは学校内でなくても大丈夫。でもこれは言葉にすると簡単だけど、かなり難しい。基本的には「新たに出会う人」の場合でないとなかなか難しい。このような状況の子は、周りにの人たちに対して反抗的なスタンスでいるので、親や先生のような今までの知り合いでは、「このような状態になるまで何もしてくれなかった人」と見られてしまうことが多いので。

 そのような人と場ができたなら、今の自分を見つめ直す機会(二者面談など)を設ける。そこで、自分の今の行動とこれからの理想との矛盾や齟齬を受け止めてもらう。勉強でも生活の一部でもなんでもよいので、今の自分に纏わる何かを変える。「自分で自分を変えることができた」と本人の感じてもらうのが大切。

 言葉にしてしまうと簡単だが、上記のようなステップを歩むのはケースにもよるが、3ヶ月~半年は最低でもかかります。このような子は約束をしても平気で破る可能性が高いので、周りの大人たちは根気よく見守る必要があります。また、継続的な面談(当塾の場合ですが)も行っていく必要があります。そして、周囲からの評価はなかなか変わらないが、見守っていく側は少しの変化にも気付くように努めなければなりません。


【まとめ】
 この仕事をしていると、本当にこういうケースに出会います。周囲の大人が感情的になりすぎているように感じます。表面的なものしか見ずに全体を捉えた気になっている場面が非常に多いです。向き合わずに、子どもと同じものを見ずに、別の視点から発せられた言葉から触発されるようなことはありません。これは大人でもそうだと思います。まずは、しっかりと寄り添って受け止めてあげることから始めるべきです。
 私見ではありますが、わたしたちは「塾」といった場所がこういった役割も担えると思っています。そういった存在であるほうが有意義であろうと思っています。

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