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平成30年度の都立入試結果
おととい東京都教育委員会から平成30年度都立入試の結果が発表されました。
平成30年度の都立入試教科別平均点
国語 65.9点 (69.5点)
数学 66.5点 (56.3点)
英語 68.0点 (57.8点)
社会 61.5点 (58.6点)
理科 61.5点 (55.9点)
5科計 323.4点(298.1点) ()内は前年度平均点
例年以上に高かった平均点
今年度は予想以上に平均点が高い教科が多かったです。その理由について考えてみたいと思います。
全教科に共通していることは、マークシート導入後から記述問題が減り選択問題が増えたことで、「何となくこれかな~」と正答を選べてしまう確率が高まってしまっていることです。
記述式の頃に比べ、同内容の問題の正答率が20%ほど上昇しています。
次に教科別に見ていきたいと思います。
国語と英語は、読解問題の本文の難易度で平均点がほぼ決まります。
この2教科は、50分以内に3題の文章を読解しなければなりません。他3教科にくらべて時間が足りなくなる受験生が多く、後半の問題に進むにつれ本文を読まずに解答する生徒が増えます。そのため、本文が読みやすかったり、短かかったりする場合は、後半の問題も本文を読んだ上で解答できるようになります。国語はH.28年度、英語はH.30年度が読みやすかったので、設問別の正答率(前半後半の正答率)にほぼ差がありませんでした。
数学は85点~55点の受験生が多く、50点以下の受験生が減少しました。大問1番の小問集合が解きやすかったのがその要因だったと言えるでしょう。大問1番の9問すべてが正答率80%以上で、そのうち4問は90%以上の正答率でした(例年は正答率70%程度の問題が3題あり、正答率50%以下の問題が1題あります)。受験生のレベルが上がったというよりは、問題がいつもよりかなり簡単であったと言うべきです。
社会より理科の方が解きやすいと感じるが…
社会は資料の読み取り問題が出題されます。一方で、理科は知識問題の出題がほとんどです。特にH.29年度とH.30年度はテキストや過去問で解いたことがある問題が多く出題されています。それを考慮すると社会より理科の方が得点を取りやすい気がしますが、H.29年度もH.30年度も理科が一番平均点が低かったです。おそらく社会と理科は対策が不十分な受験生が多く、知識が足りないのでしょう。逆を言えば、対策が十分な受験生は理科の方が得点が取れているはずです。実際、自校作成校の受験生では、社会より理科の方が平均点が高かったです。
平均点は高かったですが、受験生全体の得手不得手に変化は見られません。
正確な知識を頭に入れ、演習を繰り返していけば80点は簡単に取れる問題であることも変わりません。
もっと詳しく入試結果を知りたい方は、東京都教育委員会のHPから「平成30年度東京都立高等学校入学者選抜学力検査結果に関する調査について」をご覧ください。