【中3生】都立入試の過去問を初めて解いてみた【2019年度入試組】

目次

都立入試の過去問を初めて解いてみた

期末テスト後、中3生たちに都立共通問題(H30年度:現高1が実際に本番で受けたもの)の過去問を解いてもらいました。
中3生が都立過去問を解くのは今回が初めてです。

まだ3年間のすべての単元学習を終えてないので未修内容も多分に含まれますが、実際の本番のレベルを体感させてから夏休み(夏期講習)に入ることで「もっとやらなくては」と気合を入れてもらおうと考え、毎年この時期に解かせています。

都立入試(H.30)の過去問結果

中3生(全8名)の平均点
国語:55.3
数学:53.2
英語:53.8
社会:51.0
理科:45.1
5科:258.4
※いずれも実際の試験と同じ50分で解答

各科目の上位3名の得点
国語:757573
数学:7471・59
英語:95・68・64
社会:70・63・62
理科:64・60・57

70点以上得点は8人×5教科=40の中で、7つでした。
目安として、オール70点(5科350点)で偏差値55程度の学校の合格率が70%くらいです。

 

ちなみに、昨年の受験生(現高1)たちが解いた過去問(H.29年度)の結果も載せておきます。
中3生(全8名)の平均点
国語:61.6
数学:46.4
英語:45.0
社会:39.0
理科:44.5
5科:236.5
※いずれも実際の試験と同じ50分で解答

各科目の上位3名の得点
国語:8381・68
数学:65・62・47
英語:70・58・57
社会:58・47・42
理科:56・55・54

70点以上得点は8人×5教科=40の中で、3つでした。

 

実際の入試問題をやってみて

始めに断っておきますが、この結果が何か本番への目安になるかと言うと、ほとんどそういうことはありません。
まだ中学の全範囲の学習を終えたわけでもなく、過去問演習を繰り返して練習をしているわけではない状況なので、この結果で何かを判断する必要はありません。
今回の過去問の目的はあくまでも「夏休みに入る前に一度本番のレベルを体感させておく」というものです。

実際に過去問を解かせてみて感じたことはたくさんありますが、ここでは3点取り上げます。
①全体的なレベルは昨年度とほぼ同じだろう
②理科の得点が低すぎる(学習したものも失点している)
③夏休み中に国語の目処をつけたい

①全体的なレベルは昨年度とほぼ同じ

平均点自体は去年の中3生よりも高いですが、今年の中3生は学力差がかなり激しいです。95点の子もいれば、16点の子もいます。
中3生全体のレベルとして考えると昨年度とほぼ同じ(昨年よりも1段階高い子が3人・昨年よりも1段階低い子が5人という感じ)です。社会に関しては、今年度の中3生の方が苦手意識がないという印象を受けます。

当たり前ですが、初めて(問題形式もわからないまま当日抜き打ちで実施)ということもあり、ほとんどの生徒が50分間ですべての問題に手を付けるということができていませんでした。
これは去年の中3生も同じです。

また、今年の中3生は「勉強したのに点が取れていない」部分が多く(特に数学、理科、社会)ありました。
日頃の勉強のクオリティを上げていかなければなりません。

②理科の得点が低すぎる

理科の得点が低いのが気になります。
中3内容まで学習を終えている生徒がいる(1名)にも関わらず、平均点は45.1で、最高点も64でした(昨年の中3生は夏休みから理科の学習を始めました)。定期テストの結果も含め、理科を苦手としている生徒が多いのが現中3生の特徴です。
一応フォローしておくと、入試問題の理社は3年間すべての単元が同じ量出てくるわけではなく、年度によって単元のボリュームの差が変わります。(3年の単元が多い年、1,2年の単元が多い年など)
出題範囲によって難易度が変わりやすい科目ではあります。

来週から夏期講習に入りますが、理科は昨年度と同じ学習方法で進めていく予定です。
各自、テキストで問題演習を行い、その後確認テストを解いてもらいます。テストは正答率9割以上を合格とし、クリアするまで繰り返します。やっていることはとてもシンプルですが、昨年はこれだけで偏差値が15~20アップしました。
毎年、うちの受験生は理科の平均偏差値が最も高くなります。

③夏休み中に国語の目処をつけたい

入試本番で5科の総合得点が自己最高点やそれに近い得点を取れている生徒に共通することは、

① 12月~2月の過去問演習で国語の成績が安定している
② ①の生徒は8月~10月の模試で国語の成績が上昇している

昨年の中3生のなかに、夏休み前の過去問で28点、Vもぎの偏差値が38だった男子生徒(都立豊島高校に進学)がいました。
彼は都立入試本番では81点を取りました。読解問題の学習を始めたのは夏休みからでしたが、はじめは見当違いの解答ばかりで正答率は3割ほどでした。夏期講習を経て、8月~10月の模試で偏差値が45→50→55と上がり、その後も55~60の間を推移していきました。12月~2月の過去問演習でも70点前後で得点が安定して取れていました。(当初の彼の点数を考えると良い点数と言えるでしょう)

ちょっと追記します。
彼の場合は「とにかくテキトーに解いている(本文をすべて読まない・選択肢も「アがまだ出てないからアだな」とふざけた理由で選ぶ)」ことが28点・偏差値38の原因でした。
冬になるまでモチベーションが上がらない生徒でした。(←彼は夏以降も色々な問題を起こすことになります)
実際の国語力は、高いわけではありませんでしたが、低いわけでもありませんでした。むしろ屁理屈を並べるのが上手でした。
彼が本番で80点を取ったときも「だろうな(本番だけやる気を出すタイプ)」と思ったぐらいです。(都立の国語は簡単すぎるため、できる子は何もしなくてもできてしまう。)

ただ、もしもテキトーに解かずに“本気”でやってこの時期に30点程度だと、本番で80点を狙うのはほぼ無理でしょう。
詳しくは長くなるので割愛しますが、都立の国語(漢字20点・作文10点・読解70点)でこの時期に30点の国語力では、さすがに残り半年ちょっとで80点まで挽回する潜在力はないと判断せざるを得ません。
国語は科目の特性上、誰でも上記の彼のように短期間で成長する科目というわけではありません。

都立入試の国語は、何となく○がついてしまう問題ですので、文章がほとんど読めていない生徒でも70点や偏差値55を取れることがあります。ただ、その生徒が別の問題を解いてみると、30点や偏差値40という結果になることもよくあることです。
他教科にくらべ、国語を苦手としている生徒は点数のレンジが大きいです。当然、5科の総合得点にも大きな波が出ます。

国語を早い時期に安定させることが志望校合格に大きく影響するとTSKでは考えています。
逆に、国語が不安定だと、他の科目が順調だとしても合格率はかなり下がってしまいます。(『中3生進学先と一年間の正直な総括【2018年度入試組】』でもチラッと書きましたが、1科目目の国語が安定しないままの受験はほとんど“ギャンブル”のようなものになってしまいます。)

9月以降は学校の授業が再開し、定期テスト対策にも時間を割く必要があり、夏休みほど受験勉強に時間を割くことができません。
そのため、TSKでは夏休みに国語の学習にたくさんの時間を割き、読めるように・解けるようにしていきます。

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