現高2生の優秀さ~TSKが理想とする勉強スタイル~

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あまりブログには書かない高校生の話

TSKでは生徒が自立学習できるよう(最終目標は塾が必要ない生徒に仕上げること)に日々指導しています。そしてそれが最も実践できているのが現高2生です。

このような記事を書くと「優秀だからできる」と勘違いされることが多いので、あらかじめ言っておきまが、別に優秀だから勉強が得意なのではありません。
取り組みの質が良いから勉強が得意になり、結果的に優秀な成績になるという順番です。TSKでは、取り組みが良ければ成績は自ずと良くなるという信念で指導にあたっています。

今回の記事は、成績を上げたいと思っている方に特に読んでもらいたい内容です。今回も長くなってしまいましたが、TSKの考え方が少しでも伝わればと思って書きました。

本題の高2生の紹介の前に、まずは取り組みが悪い生徒の特徴から見ていきます。

取り組みが悪い生徒の特徴

取り組みが悪い生徒の特徴
・指示通り取り組むことができない
・相手の話を理解しない、恣意的に曲解してしまう
・勝手に予定を変える
・定期的な退場(約束が守れず、守ろうともせず強制的に帰宅させられる)
・計画通りに実行しない、しようとしない、すぐに諦める
・文句、言い訳が多い
・自分のマイナスポイントを自覚しない
・我武者羅に勉強量でカバーしようとする
・頑固
など

簡単に言うと、「自分のこと(得手不得手、現状、予定、期限など)」を客観的に把握できていないということ。
・自分の現状、目標とのギャップ、得手不得手など自分に纏わることを自覚できていない
・現状を把握しないままとにかく我武者羅にやろうとする
・目的と方法を考察できていない
・こちらが現状と方法を示しても文句、言い訳をしてやろうとしない

もっと平たく言えば、優先順位を考えず、その時の気分に流されて行動しているということ。

例)
・「疲れたから後でやる」と言って、結局やらずに済ませたり、夜中起きて焦って終わらせたりする
・問題が解けないからイライラして、解説を読まず聞かずに何度も同じことを繰り返す
・単純に時間をかけようとする(夜更かしをする)

 

去年度の中3生は非常に素直な学年で、こちらの指示通り勉強に取り組むことができていました。学力レベルはそこまで高くはなかったですが、勉強することが好きで点数の伸びや目標達成率はとても優秀でした。
2学期の内申も皆作戦通りに上げることができました。

それに対して、今年の中3生は上記の項目に該当すること(全体的に言い訳が多い)が非常に多く、苦戦しています。
その日に指示したものを完了できない・終わらせようとしない子、月に1~2度の頻度で退場させられる子、こちらが示した計画をすぐに破り自分勝手なペースで進める子、やることやらないことを恣意的に判断してしまう子、思考するのを放棄し量でカバーしようとタイミングと内容がマッチしない取り組みをする子、計画を立てようと話し合っても言い訳をして進まない子など。
結果、目標の内申に届かなかったり、12月に達成すべき目標点に達していない子が出てきてしまいました。冬期講習を通して大分改善されましたが、高校入学後が幾分不安です。
こちらの理想通りに“常に”学習を進めてこれた子は2人だけ(そのうちの一人は偏差値56の高校を受験しますが、11月以降のVもぎでは5教科偏差値65をキープしています)。

 

現高2生の特徴

現在TSKの高2生は4名(文系2名、理系2名)。
それぞれ別の学校で偏差値や学力レベルもバラバラで、週あたりの時間の使い方やスケジュールも異なりますが、皆共通して言えることはしっかりと自分の現状を捉えて行動できているということです。
時間の使い方や、教科ごとの得手不得手、自分の性格などを客観的に捉えて先のことを考える癖がついています。

現高2生の特徴

・話を正確に聞くことができる
・言われたことを理解し、その後の行動に反映できる
・約束を守れる
・自主的に予習復習をする
・苦手分野を把握している
・質問の仕方が上手、要点をつかめている
・まずは自分で取り組んでみる
同じ間違えを繰り返さない
・気分に流されない
・素直に取り組める
など

現高2生の良いところ

①自分を的確に捉えている、理解している。
自分の性格や癖、自分の現状、目標との差、得手不得手などをしっかり自覚しています。

②やるべきこと、優先順位がわかっていて、気分に流されずに実行できる。
これは非常に難しいことです。これができている高2生たちは本当に素晴らしいです。
①のことができているから、すべきことを把握でき、優先順位をつけることができると思います。また、「疲れたから勉強したくない」「疲れたから寝たい」という気分に流されず、すべきことを実行しています。

毎日、部活が20時前まである生徒は、自宅に帰ると寝てしまうことを自分でわかっているので、TSKに来て自分がすべきことを終わらせてから帰宅するようにしています。
(高校生にはこういったことをこちらから提案することはしていません。自分のことは自分で考えてからアドバイスを求めなさいと伝えています。)

余談ですが、学習相談でよく「わからないところがわからない」と言われますが、それは単純に頭を使っていないからです。教科書を読んだり、ワークを解いたりするなど、何でもよいのでまずは自分なりに勉強してみてください。教科書を読んだときに、意味が理解できない部分が出てきたら、そこがわからないところです。ワークを解いたときに、解けない問題が出てきたら、そこです。それにも気づけない場合は、勉強以前の話です。歩いているときに、壁にぶつかっても気づかないのと同じような状態です。
客観的に自分の現状を捉えることができないということは、つまり全く頭を使っていないということです。そういう癖がついていない子はまずはそういったことの対策から始めなければなりません。単純に時間をかけて勉強しても変化がないのはそういうことに気づいていないからです。

③塾以外でも勉強を進められる。
塾以外でも勉強できる生徒は、先生がいなくても自分で勉強モードに切り替えられます。②と重なりますが、気分に流されずに実行できるかどうかの問題です。
高校生になると、科目数が増え塾にいる時間だけですべてを完了することはほぼ不可能になります。従って、塾以外でも勉強できなければ勉強量が不足します。

現高2生は週2回ほどしか塾に来ません。最も偏差値の高い子は最もTSKにいる時間が短く、週2回それぞれ1時間程度しかTSKに来ません。それでも下記に書いてある通りの成績を修めることができています。

 

高2生の現状(大学受験1年前)

・センター試験の過去問(英語、数学ⅠA、数学ⅡB、現代文、古文、化学)で8割以上の得点が取れている生徒が3名います(試験時間を10分~15分延長すれば満点近く取れています)。*センター試験8割は、GMARCH以上の私立や国公立をめざす受験生の最低ラインです。
・理系の2名は両者センター数学ⅠA・ⅡBともに8~10割得点できています。

2学期の模試の結果
全員同じ模試を受けました

Aさん(私大文系志望、GMARCHが第一志望)
偏差値
国英社合計:62.4
国語:51.3
英語:57.0
日本史:71.4

Bくん(私大文系志望、数学受験)
偏差値
国数英合計:47.0
国語:39.3
数学:53.0
英語:46.5

Cさん(国立、私立理系志望)
偏差値
国数英合計:69.1
国語:63.3
数学:69.2
英語:67.6
化学:62.9

Dさん(国立、私立理系志望)
偏差値
国数英合計:68.6
国語:65.9
数学:57.3
英語:78.1

偏差値のおおよその目安
55以上:日東駒専を狙える位置、日東駒専合格(学部によって大きく差がある)
60以上:GMARCHを狙える位置
65以上:GMARCH合格、早慶・国立を狙える位置
70以上:早慶、国立合格

現時点で偏差値65以上を取れているのは優秀です。(一般的に大学受験の偏差値は高校受験の偏差値-10程度だと言われています)
取り組みと内容重視で基本的なことを淡々とやってきただけので、まだ入試や模試の対策などは一切行っていません。(模試の対策は無意味なのでこれからもやるつもりはありません)
私たちが小手先で偏差値を取らせたのではなく、彼らが日頃の勉強で培ってきた実力がリアルに反映されていると見てほしいです。

これは高校2年生だからできるわけではありません。高校3年生でもできていない生徒はたくさんいますし、中学生でもできる生徒はいます。
実際、現高2年生は中3、高1の頃から上記のことができていましたし、現中2生にもできている生徒はいます。

 

TSKが理想とする勉強スタイル

TSKの理想的な勉強スタイル
①まずは自分で教科書を読んだり、ワークを解いたりして、わからないものを見つける。
②わからないものは、解説を読んだり、辞書を引いたりして自分で解決してみる。(すぐに先生に聞かない、答えだけを求めない。)
③それでもわからない場合は、先生に質問する。
④理解できたら、自分でもう一度解き直しや復習をする。(理解したらおしまいではない)
⑤同じまちがえを繰り返した場合は、印や付箋をつけたり、ノートに書きだしたりして、苦手な内容と認識する。また、同じまちがえをした原因を考える。
⑥その内容については、自分ができるようになるまで繰り返し復習する。
⑦最後にすべて先生と確認を行う。

 

難しいことを求められていると感じる方もいるかもしれませんが、少なくとも高校受験を通してこのスタイルを身につけてほしいです。TSKではテスト勉強や受験勉強を通して中学生のうちにこのスタイルを身につけさせたいと思って指導しています。
もちろん、高校受験で第一志望校に合格することは重要なことですが、合格がゴールではありません。高校進学後に感じる高校内容の難しさ、高校受験と大学受験のレベルの差に対応できる力を養っておく必要があります。そのためにも、高校生になるまでに、TSKの理想的な勉強スタイルを自分のものにしてほしいと考えています。

TSKに通塾している生徒全員が高2生のような取り組みをできるようすることを目標に、先生たちも指導力を日々研鑽しています。

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