~ノートを取るだけで満足してしまう子の場合~
こちらの記事を読む前に、以前書いた「定期テスト80点に達しない子の5つの主な原因」をご覧いただくと、概要が分かります。
【授業に参加していない子】
授業は聞いているけれど、ノートを取るのに必死で、内容を理解していない子。
ノートを取ること=勉強 だと勘違いしている子。
【現状】
学校の先生から見ると、授業中はしっかりと取り組み、勉強しているように見えるが、テストでは点数が取れない。自分で気付いていない子の方が多いと思いますが、60~70点ぐらいしか取れていない子は授業中に「ノートを取ること」を最優先にしてしまっているこ傾向が強いです。
なぜこれでは点数が取れないのかは、自明の理。単純に、自分がやっていること(ノートを丁寧に書くこと)が勉強だと勘違いし、内容の理解や問題を解けるようになることという本来の目的とズレていることをしてしまっていることに気付いていないからです。しかし、そのように思いこんでしまうのは、学校の先生や授業システムなどに原因があることが多い。先生はなぜ生徒にノートを取らせるのでしょうか?授業のメモを取らせるということ以外に、先生にとって都合のよいことが大きく分けて2つあると私は思っています。
1つは、評価材料として分かりやすいから。中学生は学校で授業ノートの提出を求められ、先生が評価(AやBなど)をつけます。 公立中学校に多いケースは、授業で板書したことが書かれていれば満点。その評価が子どもたちを誤った方向に導いてしまっています。これは、「あなたはちゃんと勉強をしているね」という評価ではなく、「あなたはちゃんと私の授業を聞いてくれているね」という評価であり、勉強の本質(内容の理解や問題を解けるようになること)とは全く関係がありません。
2つめは、40人の生徒を黙らせておきたいから。これはとても簡単な話で、計画的に授業を進めるためには、40人の子どもたちを黙らせておかないといけないので、しゃべらせずに書かせているということです。(今日の話とは関係が無いので特に言及はしません。)
【どうすればよいか】
学校で授業を受けてから定期テストを受けるまでに、何をすればよいのか考えさせる必要があります。彼らは、自分たちがこのような状況にあることを自覚していません。まずは、それに気付いてもらう必要があります。
具体的には、
①
直近で学習した内容の簡単な確認テストを行い、その問題が解けないということに気付かせる。また、その原因が学校の授業の取り組み方にあることを気付かせる。
②
その後は、授業で学習したことを理解しているかチェックする機会(口頭で質問してもよい、むしろこういうタイプの子には喋らせたほうがよい)をたくさん設ける。その問題に答えられるようになるには、授業中にノートを書くだけではなく、先生の説明を聞いたり、教科書を読んだり、ワークを解く必要があることを認識させる。
③
これらを繰り返すことで、子どもたちの授業の受け方や理解することの意味が少しずつ変わっていきます。勉強とはなにか、学校の授業の役割はなにか、自分はそれにどう取り組んでいくのか、ということを自分の頭で考えられるようになってくるはずです。
【まとめ】
簡単に解説をしてしまいましたが、ざっとこんな感じです。こういうタイプの子は本当に多いですが、ただ勉強の仕方が分かっていないだけです。正しい取り組みを定着させることで、学校の定期テスト程度のものは簡単にクリアできます。
最後にもう一つだけアドバイス。
人間は、書いたことよりも話したことをより記憶します。これは、誰でも知っているはずです。例えば、歌詞。歌詞を書いて覚える人はいないと思います。歌いながら覚えるのが普通だと思います。人間は、書いたことよりも話したことをより記憶します。
もっと言うと、人間は、人から聞いたことよりも自分で話したことをより記憶します。なので、家族や友達間でできる対策として、学校で学習した内容をひたすら人に喋るというのが本当にオススメ。(相手が聞いてなくたって構わない。自分が話すことが大事。)お母さんが晩御飯の用意をしている横で、ひたすら喋りまくると効果的です。