目次
はじめに
3年生になって受験に向けて塾に通いだす子が多くいます。
しかし、多くの場合“時既に遅し”状態の子が多く、入塾前にイメージしていた通りに成績が上がっていくという子はなかなかいません。
その理由は、1,2年生時の学習の質に因るものです。
そのため、1,2年生の間に“基本的な能力”を身に付けることが、受験生になったときに合格への大きなアドバンテージになってきます。
今回は、「高校受験に向けて3年生になる前にやっておいたほうがよいこと3つ」を解説していきたいと思います。
※今回紹介する内容は、本当に本当に基本的なことです。もう少しレベルの高いことについてはいずれ書きたいと思っています。(しかし、この基本的なことも出来ずに3年生になってしまっている子が多くいるのもまた事実です。)
高校受験に向けて3年生になる前にやっておいたほうがよいこと3つ
① 基本的な語彙力の養成
極端に言ってしまえば、勉強が出来る出来ないの差は、“思考力”の差そのものと言えます。そして、“思考”は常に“言葉”でなされます。
人がものと捉える(見たり聞いたり知ったりする)には常に“言葉”が必要です。
(例えば、「ゾウが歩いている」という状況を認識するには、「ゾウ」「歩く」という言葉の意味を正確に知っている必要があります。言葉を持たない赤ちゃんは、動いている物体は視覚的に捉えることができますが、「ゾウが歩いている」という認識は絶対にできません。)
つまり、何かを理解する(勉強は常に自分で理解して進んでいかなければならない)には、語彙力(正確に言葉を知っていて且つそれらを使いこなせる力)が欠かせないということです。
語彙力がなければ、新しい知識は身に付いていきません。日本語が不十分なのに英語を勉強しているのは滑稽な状態です。
語彙力をつけるのに一番いいのは、常に辞書をひくことです。最近の子ども達はテキトーな言葉ばかりを使い、自分の思っていることも相手に伝えられない子が多いです。
おそらく家や学校でも、文ではなく単語でコミュニケーションが行われているのだと思います。(「あぁ」「うん」「いいよ」「別に」「いらない」「うるせー」みたいな。)
教科書や本を読み、わからない言葉は辞書で調べるという作業でこれは改善できるはずです。基本中の基本です。
② 「スピード」と「丁寧さ」を意識した勉強
自主学習をする際に、「丁寧さ」「スピード」を意識して取り組むことが大切です。
「丁寧さ」がなければ、量を積んでも点数につながりません。雑に取り組むことほど無意義なことはありません。
「スピード」がなければ、準備が足りずにテストに臨むことになったり、テスト時間内に解答が終わらなかったりします。これも点数につながりません。
ただ、1,2年生時の自主学習の際に両方を同時に意識にすることはかなり難しいことだと思います。
難しい場合は、1回1回の演習で「丁寧さ」もしくは「スピード」どちらか一方を意識するだけでも効果的な演習になります。
どちらも意識せずに取り組み、目の前の1問を解くだけに夢中になっている子どもがよくいますが、これは試験にマッチした勉強とは言えません。
今日は「スピード」、今日は「丁寧さ」と日ごとに設定して取り組んでもらえればと思います。
③ 英語と数学は3年生までの内容(教科書レベル)を完了しておく
進捗に関して。英語と数学は、中学3年までの内容(教科書レベル)を完了しておくことが望ましいです。無理な場合でもできるだけ進めておくこと。
理由は、単純に3年生での負担を減らすため。
3年生で、2年生までの復習と3年生の内容を、5教科すべて学習することは難しい。6月ぐらいまで部活があり、受験勉強以外にも学校のテスト対策などもやっていかなければならないため、意外と時間制約が大きいです。
偏差値を上げる勉強と内申を上げる勉強の両立を考えるには、余裕がある時期に、その負担を減らしておくべきです。
教科書レベルの内容を理解しておくことで、入試レベルの演習にスムーズに取り組めます。
おわりに
上記の3つは必ずやっておいてほしい基本中の基本です。
もし、この3つのうちどれかが抜けていると、受験生になったときにかなり出遅れることになってしまいます。
3年生になってから塾に通いだす子が多い現状ですが、3年生になる前にこれだけは本当にやっておいてほしいと思います。
また、もし自分ひとりでは上記の3つが難しいようであれば何らかの手を講じておくべきです。
大学受験でも言えることですが、受験生になる前(1,2年生時)の取り組みの質で、3年生になった時の未来の見え方が全く違います。
例えるなら、スポーツカーと軽自動車ぐらいの差。制限のないレースで軽自動車で挑むメリットはありません。